簿記2級って、独学で取得できるの?
簿記2級を取得するためには、どれくらい勉強する必要があるのかな?
簿記2級の効率的な勉強方法が知りたい!
日商簿記3級と比べて難易度の上がる日商簿記2級(以下簿記2級)は、独学で取得するのが難しいと思われがち。
キャリアアップやスキル向上に欠かせない資格ですが、勉強方法に悩む方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事は、簿記2級合格を独学&最短で目指すための効果的な勉強方法や、必要な勉強時間などを徹底解説します!
私は、本記事で紹介する勉強法を用いて、約90時間で簿記2級に一発合格しました!
簿記2級について…
- 必要な勉強時間がわかる!
- 効果的な勉強方法がわかる!
- 勉強計画がわかる!
- 合格に近づくポイントがわかる!
簿記2級の基本情報
この章では、簿記2級の基本情報を確認していきます。
簿記2級の全体像
ますは、簿記2級の全体像を以下の表で確認しましょう。
試験科目と配点 | 商業簿記(60点) 工業簿記(40点) |
---|---|
試験時間 | 1時間30分 |
問題数 (変動可能性あり) | 大問→5問 全体→12問 |
問題構成 (変動可能性あり) | 第1〜3問:商業簿記 第4〜5問:工業簿記 |
合格基準 | 70点以上 (満点100点) |
・商業簿記
→購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算する技能。
・工業簿記
→企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能。
商工会議所の検定試験のサイトより引用
問題数は全体で12問なので少なめに見えますが、それぞれ問題文が長く、理解力を求められるため、時間配分をしっかり考える必要があります。
統一試験・ネット試験の比較
簿記2級は、ネット試験と統一試験(ペーパー試験)の、2つの方法で受験できます。
それぞれの違いを見ていきましょう。
項目 | ネット試験 | 統一試験 |
---|---|---|
受験料 | 税込4,720円+事務手数料550円 | 税込4,720円 |
受験日 | (テストセンターによる) | 随時11月下旬 2月下旬 | 6月中旬
申し込み 方法 | テストセンターによる | 商工会議所による |
申し込み 期日 | 受験日の3日前まで | 商工会議所による |
合格率 | 約40% | 約20% |
合格発表 | 受験直後 | 受験から約1ヶ月後 |
※2024/10/27現在
受験日の柔軟さ・合格率・合格発表までの期間を考えると、受験料を少し上乗せしてでも、ネット試験が断然おすすめです。
私もネット試験で受験しました!
簿記2級の合格に必要な勉強時間
独学で簿記2級を取得するために必要な勉強時間は、平均150〜250時間。
毎日2時間ずつ勉強するなら、2ヶ月半〜4ヶ月ほどかかる計算ですね。
試験範囲が広い上に、簿記3級より専門的な簿記の知識を求められるので、もっと時間を要する場合もあるでしょう。
そんなに長い期間、難しい勉強を続けるなんて不安…
本当に独学でできるの…?
と不安になった方のために、次の章から、独学&約90時間で簿記2級に合格した勉強方法を解説していくので、ぜひチェックしてください!
簿記2級の効果的な勉強方法
この章では、簿記2級の勉強方法を解説します。
勉強するにあたって確認したい点も合わせて説明しているので、しっかり確認していきましょう!
独学&最短合格を目指すには、「どう勉強するか」がカギになりますよ!
1. 参考書・問題集を周回する
2. 解説動画を視聴する
3. 模試・予想問題に繰り返しチャレンジする
参考書・問題集を周回する
参考書・問題集は、自分に合っているものを1つだけ選び、周回しましょう。
内容が同じとは言っても、参考書によって言い回しや解き方の異なる場合があります。
深い理解を得るためにも、まずは1つに絞って、知識を徹底的に落とし込むことが大切です。
新しい参考書・問題集に移るタイミングは、「内容を完全に覚えたとき」!
それまでは、どんどん繰り返していきましょう。
参考書・問題集を周回する上で、意識したいポイントは以下の2つです。
・理解したところはチェックをつけて、それ以降の周回時は飛ばす。
・チェックのついていないところ=苦手なところは、何度も何度も繰り返し確認する。
解説動画を視聴する
苦手を克服したいとき・全体像を把握したいときは、YouTubeやCPAラーニングなどで、解説動画を視聴しましょう。
CPAラーニングって?
CPAラーニングとは、大手公認会計士資格スクール(CPA会計学院)提供の、簿記や会計ファイナンスを、無料で学べる学習サイトです。
全講義の視聴・教材のダウンロードも完全無料にも関わらず、有料級コンテンツが盛りだくさん。
ネット試験対策用の模擬試験もあり、演習もできます。
私は、ほぼCPAラーニングだけで合格できました!
独学において、「わからない部分をわからないままにしておく」ことは、最も危険なこと。
参考書を読んでもわからないのであれば、より詳しく説明してくれる動画解説を見るのがおすすめです。
YouTubeであれば、私は【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆきさん推し◎
それぞれの単元について、具体例をもとにした、ボリュームのある解説が特徴です。
模試・予想問題に繰り返しチャレンジする
試験範囲を1周できたら、とりあえず1回、模試を解いてみましょう。
このとき、合格点数に届かないのは当たり前。
まずは、どんな試験かを知るためのお試しです!
その後、試験内容が身についてきたら、模試・予想問題を繰り返し受けていきます。
ネット試験での受験を考えている人は、ネット試験模試を中心にチャレンジしましょう!
画面の操作感や解答方法も確認しておくことで、当日にとまどってしまう可能性を減らせます。
問題集に付属しているものや、受験・ダウンロードができるサイトなどを活用して、模試・予想問題にチャレンジ!
試験の流れを確認したり、時間感覚がつかめたり、問題に慣れたりできますよ。
おすすめの模試・予想問題のサイト
・ネットスクール
→ネット試験模試を、無料で3回分受けられる。自動で採点され、解答・解説PDFのダウンロードと、解説動画の視聴が可能。採点結果は、得点のみ表示される。
・CPAラーニング
→ネット試験模試を、無料で3回分受けられる。自動で採点され、解答・解説PDFのダウンロードと、解説動画の視聴が可能。採点結果は、得点+自分の回答+解答+簡単な解説がセットで表示される。
・簿記検定ナビ
→サイトオリジナル予想問題(2回分)の、問題用紙・解答用紙・解答PDFを無料でダウンロードできる。それぞれの問題について、詳しい解説記事が公開されている。
簿記2級合格のための勉強計画を公開!
ここでは、私が実際に簿記2級に合格したときの勉強計画を公開します!
独学で平均150〜250時間の勉強時間が必要なところを、たったの90時間ほどで合格しました◎
1つずつ詳しく説明していきましょう。
▶︎先に「合格に近づくポイント」を確認する
参考書
→重要事項を確認しつつ、「例題を解く↔︎解説を見る」を繰り返して、解法を習得する。
問題集
→わからない部分はすぐに参考書や講義で確認しながら、さまざまなパターンの問題に触れる。
一通り試験内容を確認したら、模試に1回チャレンジしてみる。
ここでの目的は、「合格点をとること」ではなく、「どんな感覚なのかを知ること」と「出題形式や操作感を確認すること」!
私も最初は42点だったので、どんなに点数が低くても、とりあえずは気にしなくてOK!笑
1周目でチェックしておいた、難しいと感じる部分・苦手な部分や試験対策問題を、再度確認する。
ステップ4と同じ模試を、もう一度受けてみる。
ステップ4・6で、模試の経験と苦手復習ができているので、最初にチャレンジしたときより、手応えを感じるはずです。
ステップ6を通して、さらに絞り込んだ苦手問題を中心に、もう一度確認する。
だいぶ慣れてくる頃なので、新しい問題にもチャレンジする。
「ネット検索で見つけた模試」については、上記記載のおすすめの模試・予想問題のサイトをチェック!
自分が学習してきた形跡を追いながら、問題集を1周して、全体の復習をする。
今までに取り組んできた問題や新しい問題・模試など、とりあえず簿記の問題に触れていく。
私が、簿記2級に短期間で合格できた大きな要因は、「反復学習を通して知識を深められた」こと。
さまざまな問題に挑戦して、多方面から試験対策をしていくことも大切ですが、基礎固めをより優先させるべきですよ!
簿記2級の合格に近づくポイント〜勉強編〜
この章では、勉強中における簿記2級の合格に近づくポイントを、3つ紹介します。
まずは勉強編から見ていきます!
試験中編を見たい方は、こちらから飛んでくださいね♪
1. 基礎を徹底する
2. なるべく多くの問題に触れる
3. 勉強比重の濃淡をつける
基礎を徹底する
簿記の基礎=仕訳をしっかり理解できていなければ、簿記2級の合格はほぼ不可能です。
試験では、大問1(商業簿記)で5問、大問4(工業簿記)で3問、合計8問の仕訳問題が出題されます。
しかも、この8問の配点は合計で32点と、満点なら合格点の半分ほどを占める点数です!
ほかの問題を解くときでも、仕訳の知識が不足していると、解くのが困難なものばかりです。
つまり、仕訳の知識は必須!
言い換えると、仕訳がマスターできれば、合格の可能性が上がるのです!
なるべく多くの問題に触れる
勉強内容が定着してきたら、なるべく多くの問題に触れることも、反復学習と同じくらい大切です。
問題パターンを多く経験しておくことで、試験当日に「こんな問題見たことない…」という事態を回避できます。
新しい問題に触れることが大事とは言いましたが、解きっぱなしはNGです!
どの問題にチャレンジするとしても、必ず自信を持って「理解できた」と言える程度まで、落とし込みましょう。
新しい問題にチャレンジしたいなら…
・新しい問題集を手に取る
・模試&予想問題をチェックする
新しい問題集は、中古のものを探すのもおすすめ!
比較的安くで、内容も確認しながら選べますよ♪
勉強比重の濃淡をつける
簿記2級の試験は、かなり広大な試験範囲を持つので、すべての分野から出題されることはありません。
しかも、頻出分野が過去の試験データから分析されています。
頻出分野をチェック!
大問1
→有価証券、純資産、リース取引、固定資産、債権債務などの仕訳
大問2
→株主資本等変動計算書、連結精算表など
大問3
→財務諸表や精算表など、商業簿記の決算
大問4(1)
→勘定連絡図の理解を前提とした仕訳
大問4(2)
→個別原価計算、総合原価計算、製造原価報告書・損益計算書の作成など
大問5
→直接原価計算、標準原価計算など
もちろん、これらの頻出単元を重点的に勉強していくことが、簿記2級合格のためには効果的です。
しかし、実際の業務に活かしていくとなると、どの論点も理解しておく必要がありますよ!
まずは、頻出論題や基礎知識を徹底して勉強していき、その合間でほかの論点もカバーしていく戦略が、簿記2級の合格には有効的な手段です。
簿記2級の合格に近づくポイント〜試験中編〜
ここでは、試験中における簿記2級の合格に近づくポイントを、4つ紹介します。
このポイントを意識すると、合格がぐっと近づきますよ♪
1. 「合格点」を目指す
2. 解く順番を考える
3. メモは必要最低限にする
4. 問題文をよく読む
「合格点」を目指す
簿記2級の試験では、「満点」ではなく「合格点」を目指しましょう。
仕訳問題は完全解答ですが、ほかの問題は部分点がもらえます。
「わからない部分があったから、この問題は諦める…」という考えは、非常にもったいないです!
とりあえずわかる部分から解いていき、最後に見返すと自然に解ける、ということもありえますよ。
各大問におけるポイントはこちら!
・大問1、4、5
→比較的に難易度が低め。完全解答問題もあるため、なるべく満点を狙う。
・大問2、3
→比較的に難易度が高め。時間もかかるため、部分点を狙う。
解く順番を考える
統一試験でも、ネット試験でも、自分の好きな問題から解き始められます。
問題の順番通りに解いていくよりも、おすすめの進め方があるんです!
確実に点数を取っていきたい・時間をあまりかけたくない大問1、4、5から始めて、難易度が高い・どうしても時間がかかる大問2、3を後から解き、最後に見直しの時間をとりましょう。
ここでいちばん意識したいポイントが、「解答欄の空白をなくす」ことです。
部分点につながることもあるし、解答欄のずれを防ぐ効果もありますよ。
メモは必要最低限にする
問題を解くにあたって、必要ではあるけど、解答には直接関係しないメモが出てくるはずです。
そのメモをする時間も、なるべく短くしたい…!
ということで、メモを取るときは、略称などを用いて必要最低限にとどめていきましょう。
具体的には何をする?
・勘定科目のメモ
→頭文字、イニシャルだけを書く。
・図解
→簡略化した線のみのものを描く。
解答や得点に直接関わる部分以外は、なるべく時間の節約をしていき、試験を解ききれるようにしましょう。
問題文をよく読む
簿記2級の試験問題は、問題文が複雑なものが多いです。
私も実際に受験したり、模試の問題を見たりしたとき、高校現代文の問題かと思うくらい、時系列や取引関係が複雑でした…
特に注意したいのが、大問1の仕訳問題。
素早く解いていくためには、まず「何が問われているか」をしっかり読み解くようにしましょう。
複雑な問題文に対応するには…
・最終的に問われていることを確認する。
・時系列ごとに、仕訳を整理しながら解く。
まとめ
本記事では、簿記2級に最短で合格するための勉強方法や、勉強計画を解説しました。最後におさらいです。
・参考書&問題集を周回する
・解説動画を視聴する
・模試&予想問題に繰り返しチャレンジする
自分の生活スタイルや進捗に合った計画を立てて、知識を落とし込みましょう!
・基礎を徹底する
・なるべく多くの問題に触れる
・勉強比重の濃淡をつける
・「合格点」を目指す
・解く順番を考える
・メモは必要最低限にする
・問題文をよく読む
合格により近づくために、できることは少しでも多くやっていきましょう!
簿記2級を独学&最短で合格するためには、効率的な勉強方法と時間の使い方が不可欠です。
逆を言うと、しっかりとした計画と実践さえできれば、独学でも簿記2級合格は十分にできます。
少しずつ積み重ねて簿記2級を取得し、スキルアップやキャリアアップへとつなげていきましょう!
コメント